申請文書の項目をクロス集計する

✔ 概要

ワークフローシステムの[集計機能]では、クロス集計を実行できます。
クロス集計は、ワークフローシステムの申請案件を対象に、縦軸と横軸に異なる項目を設定して集計する機能です。

例えば、経費関連の申請案件を下図のような「部署×月」または「部署×勘定科目」で集計すると、部署別の月次経費や勘定科目別の利用傾向を一覧で確認できます。
また、集計結果はレポート作成や比較分析に活用でき、業務改善や課題の発見に役立ちます。
本章では、具体例を交えながら、クロス集計の基本操作を手順に沿って解説します。

本ページは 「集計機能の使い方」(基礎)と 「ケーススタディ」(応用)で構成します。

基礎として、集計機能を使用するための前提条件と集計の種類を確認し、集計の設定と使用方法を説明します。 応用としては、複数の申請書をキー項目(科目)で横串集計する方法を紹介します。

集計機能の使い方

ケーススタディ

  • クロス集計の活用例
    複数の申請書(例:備品請求書/設備投資申請)を共通のキー項目で横串集計する設定手順とポイントを紹介します。

ヒント

集計機能を利用するには、事前に「業務区分」の登録が必要です。
「業務区分」は、申請案件を業務ごとに分類し、特定の業務のみを一覧表示できる機能です。
登録方法については 「業務ごとに案件を管理する(業務区分)」 を参照してください。

注釈

  • 集計機能は以下の一覧のみで利用できます。
    • 処理済み
    • 完了
    • 共有 - 完了
  • 集計では、各申請案件の最新(最終更新時点)項目値を使用します。
    そのため、後閲の設定により集計するユーザーが最新状態の文書内容を確認できない場合でも、最新の項目値を参照して集計できます。

集計機能の種類とクロス集計の概要

集計機能の種類

ワークフローシステムでは、次の3種類の集計機能を提供しています。

集計タイプ 説明
クロス集計 2軸を組み合わせたクロス集計表(マトリクス形式)で集計し、相関や傾向の分析に適しています。
一覧表示 申請データを表形式で一覧表示し、部署の一覧などを確認する際に使用します。
サマリ集計 項目別に合計・平均・件数などを集計し、月次合計の把握に適しています。

本マニュアルでは、これらの集計機能のうちクロス集計について説明します。
次項では、クロス集計の基本事項と操作画面の構成を説明します。

クロス集計の基本と画面構成

本節では、クロス集計の概要と操作画面の構成を説明します。

クロス集計は、縦軸と横軸に異なる項目を設定して、データを整理・集計する機能です。 例えば、下図のように「部署」と「年度」を設定すると、部署別の年間経費合計や件数を一覧で確認できます。

クロス集計には、ドリルダウン機能があります。
ドリルダウンは、集計表の行項目または列項目を選択すると下位階層のデータを表示する機能です。

下図の例では、部署別集計表の縦軸「第一営業部」をクリックすると、その部署内の申請者別の集計にドリルダウンします。

クロス集計の事前準備

クロス集計を実行するには、事前に次の準備が必要です。 なお、「2.集計テンプレートの登録」の具体的な操作については、 「クロス集計用の集計テンプレート作成」 を参照してください。

1.業務区分の登録

[業務区分]は、申請案件を業務ごとに分類・管理するための設定です。
集計対象の申請案件を表示するための業務区分を登録します。 登録方法は 「業務ごとに案件を管理する(業務区分)」 を参照ください。

2.集計テンプレートの登録

[集計テンプレート]は、集計方法と項目の構成をあらかじめ定義し、繰り返し利用できる設定です。

縦軸・横軸に表示する項目と、集計方法(合計・件数など)を事前に指定します。

下図は、クロス集計で使用する集計テンプレートの例です。
縦軸には「申請部署」や「申請者」、横軸には「申請年」「申請月」を設定しています。 この設定により、申請部署別・申請者別・月別の申請件数や金額を、ドリルダウンにより詳細に集計できます。

クロス集計用の集計テンプレート作成

クロス集計を利用するには、事前に「集計テンプレート」の登録が必要です。
集計テンプレートでは、縦軸・横軸に表示する項目と、金額などを集計する対象データ(例:申請データ、経費データなど)を設定します。

いずれかの軸に複数の階層を設定すると、ドリルダウンを利用できます。これにより、集計結果をより詳細に確認できます。

ヒント

集計機能を利用するには、事前に「業務区分」の登録が必要です。
「業務区分」は、申請案件を業務ごとに分類し、特定の業務のみを一覧表示できる機能です。
登録方法については 「業務ごとに案件を管理する(業務区分)」 を参照してください。

注意

集計テンプレートは各ユーザー単位で作成します。

集計時には、登録済みの集計テンプレートを適用します。申請案件の各項目に入力された値を集計し、結果は画面に表示されます。
集計テンプレートを登録する手順は次のとおりです。

1.集計テンプレート一覧の表示

ヘッダメニューの[ユーザー名]をクリックし、[ユーザー設定]を選択します。

[ユーザー設定]画面で、[集計テンプレート]タブをクリックします。集計テンプレート一覧画面を開きます。

2.テンプレート名の指定

集計テンプレート一覧画面で、[新しい集計テンプレート]ボタンをクリックします。登録用の[新しい集計テンプレート]画面が開きます。

テンプレート名に任意の名前を入力します。

ヒント

テンプレート名には、用途が分かりやすい名称を入力します。
例)部署別出張費用

3.業務区分と集計タイプの指定

[業務区分]コンボボックスから、このテンプレートで使用する業務区分を選択します。 次に、[集計タイプ]で「クロス集計」を選択します。選択内容に応じて、以降のテンプレートの設定項目が表示されます。

4.集計グループと集計対象項目の登録

クロス集計の縦軸・横軸で選択できる項目は、次の表のとおりです。これらの項目を用いて、クロス集計の[集計グループ]と[集計対象項目]を設定します。 今回は、縦軸に「申請部署」「申請者」、横軸に「申請年」「申請月」を設定します。これにより、階層ごとにドリルダウンできます。

指定可能な項目 内容 備考
申請情報 申請年、申請月、申請日、申請者名、申請部署、
申請権限
初期状態で用意されています。
業務区分で定義した項目 フォーム上に配置した入力テキスト等に入力された値(業務区分で表示) 業務区分で登録済みの項目のうち、[利用機能]が「全機能」または「集計」に設定されているもののみが表示されます。

ヒント

同じ項目は、集計グループまたは集計対象項目につき1回のみ設定できます。

縦軸と横軸の指定

  • 縦軸の[集計グループ(行項目)を追加]をクリックします。表示された一覧から、[申請部署]を選択します。

  • 第1階層の下部にある[+]をクリックします。表示された一覧から[申請者]を選択します。

  • 横軸には、縦軸と同じ手順で[申請年]と[申請月]を追加します。

ヒント

行と列の集計グループは、最大5階層まで設定できます。階層を深くするほど、より詳細な集計が可能です。

集計対象項目の指定

  • [集計対象項目]から集計対象とする金額などの項目を選択します。

  • [集計手法]を指定します(合計、件数、最大、最小)。

ヒント

  • 業務区分で登録済みの項目のうち、[利用機能]が「全機能」または「集計」に設定されているもののみが表示されます。

  • 集計手法は、業務区分で登録したオブジェクトのデータ型によって指定できる項目が異なります。

    データ型 指定可能な集計手法
    文字列 件数
    数値(整数) 合計・件数・最大・最小

集計テンプレートの登録

設定内容を確定するには、[登録]ボタンをクリックします。

5.集計テンプレート一覧の確認

集計テンプレート一覧画面を開きます。設定内容どおり、新しい集計テンプレートが一覧に追加されていることを確認します。

クロス集計の確認

登録済みのクロス集計テンプレートを用いて、集計とドリルダウンの操作手順を確認します。
例として、完了一覧で業務区分「出張旅費精算」の申請案件を表示します。続いて、申請部署別に集計します。

1.集計の実行

集計対象とする業務区分で一覧を表示します。[集計]ボタンをクリックして、[集計]画面を表示します。

[集計テンプレート]から、登録済みのテンプレート名を選択します。

選択した集計テンプレートを適用して、指定項目の集計結果がクロス集計表(マトリクス形式)で表示されます。
縦軸には[申請部署]と[申請者]、横軸には[申請年]と[申請月]が配置されます。各交点には、金額などの集計値が表示されます。

ヒント

集計対象の申請案件を絞り込む場合は、[詳細検索]ボタンをクリックします。表示された画面で、絞り込み条件を設定します。

2.行項目と列項目のドリルダウン

ドリルダウンとは、集計表の行項目または列項目をクリックし、下位階層の詳細データを表示する操作です。
例えば、縦軸の[申請部署]をクリックすると、その部署内の申請者別集計が表示されます。 さらに、横軸の[申請年]をクリックすると、その年の月別集計を表示できます。

行項目のドリルダウン

縦軸の[申請部署]をクリックすると、申請部署別の集計から申請者別の集計にドリルダウンします。

列項目のドリルダウン

横軸の[申請年]をクリックすると、申請年別の集計から申請月別の集計にドリルダウンします。

注釈

  • 行項目と列項目をそれぞれドリルダウンすると、両軸とも下位階層の表示に切り替わります。

  • ドリルダウンを解除するには、集計結果上部の[集計グループ]をクリックして元の表示に戻します。

3.集計結果のCSVダウンロード

集計結果は「CSVダウンロード」ボタンをクリックすることでCSV形式のファイルとしてダウンロードできます。
ダウンロードするCSVファイルには、現在のドリルダウンの状態が反映されます。 そのため、特定部署や特定期間などで絞り込んだデータをそのまま外部ツールで分析したり、報告資料として活用したりできます。

下図は、ドリルダウンを第1階層まで適用したCSVと、第2階層まで適用したCSVの例です。 ドリルダウンした状態はCSVファイルへの出力に反映できるため、用途に応じた状態でCSVファイルがダウンロードできます。

  • 集計直後のCSVファイル

  • 第2階層までドリルダウンしたCSVファイル

クロス集計の活用例

複数のフォームを登録した業務区分でクロス集計を行うと、同一のキー項目値を持つ申請案件が、フォームをまたいでまとめて集計されます。

例えば、「備品請求書」と「設備投資・購入申請書」がいずれも費用科目「備品購入費」に分類される場合、両者を共通の集計項目として扱うことで、費用状況の全体像を把握できます。 共通の集計項目として扱うには、各フォームの費用科目を識別する値、具体的には「備品購入費」などの名称を、同じ名前のキー項目(オブジェクト)に保持します。 これにより、同一のキー項目値を持つ申請案件が、フォームをまたいで1つの列に集計されます。

例として、業務区分で経費を集計する際、「備品請求書」と「設備投資・購入申請書」を共通のキー項目で集計する方法を説明します。

注意

キー項目は、完了済みの申請案件に追加できません。新規申請時に必ずキー項目値を設定してください。

設定概要

基本設定は、これまでに説明した「業務区分」および「集計」と同様です。相違点は次のとおりです。

  • 業務区分では、複数のフォームを登録します。
  • 集計では、入力テキストを科目(キー項目)として横軸項目に設定します。

1.フォームに申請書の識別値を表示

申請書を分類するため、各フォームにオブジェクト名[COST_NAME]の入力テキスト項目を追加します。
この項目には、申請書の費用科目(備品購入費、出張費、交際費など)を入力し、キー項目に設定します。

フォーム名 キー項目を表示するオブジェクト名 科目(キー項目)
備品請求書 COST_NAME 備品購入費
設備投資・購入申請書 COST_NAME 備品購入費
出張旅費精算書 COST_NAME 出張費
接待交際費申請書 COST_NAME 交際費

ヒント

  • 「備品請求書」と「設備投資・購入申請書」のキー項目値はいずれも「備品購入費」です。
  • 同一のキー項目値とすることで、異なるフォームのデータも同一キーで集計できます。

各フォームに入力テキストオブジェクトを追加し、プロパティで次の設定を行います。

  • [表示]タブで、[読取専用]を有効にし、[表示]を[非表示]に設定します。
  • [出力時]で、[[表示]設定の値を使用する]を選択します。
  • [オプション]タブで、[初期値]に各フォームを分類するキー項目値(例:備品購入費、出張費、交際費)を入力します。
  • [表示]タブ

  • [オプション]タブ

2.業務区分にキー項目と集計対象項目を設定

複数のフォームを1つの業務区分に登録し、申請書をキー項目別に表示します。 業務区分の[入力項目]に、次の項目を追加します。

オブジェクト名 表示名 データ型 用途
COST_NAME 科目 文字列 横軸に表示する科目(キー項目)
TOTAL_COST 費用 整数(カンマ区切り) 集計対象の値

3.キー項目を含む集計テンプレートの登録

[テンプレート名]へ任意のテンプレート名を入力して、登録済みの[業務区分]を選択します。
[集計タイプ]で[クロス集計]を選択し、[クロス集計のテンプレート]に以下のとおり縦軸・横軸を設定します。

横軸に、キー項目を表示する入力テキスト項目[COST_NAME]を追加します。入力テキスト[COST_NAME]では、各科目(キー項目値)を列として表示します。

  • 縦軸

    階層 指定値 用途
    第1階層 申請部署 ドリルダウンの要素となる申請者の「申請部署」を表示します。
    第2階層 申請者 ドリルダウンの要素となる申請者の「氏名」を表示します。
  • 横軸

    階層 指定値 用途
    第1階層 COST_NAME キー項目となる「備品購入費」や「出張費」などの費用科目を表示します。

集計結果

指定した業務区分を対象に集計すると、キー項目値(例:備品購入費、出張費)が列に反映されます。

「設備投資・購入申請書」や「備品請求書」の申請案件は、キー項目の「備品購入費」に集約されるため、 各フォームで同一のキー項目を指定することで、複数のフォームに分かれている場合でも1つの項目に集約して集計できます。

「設備投資・購入申請書」と「備品請求書」の申請案件は、キー項目値が「備品購入費」であるため、フォームをまたいで1つの列にまとめて集計します。

下図は、縦軸の部署「第一営業部」をドリルダウンした状態です。 部署をドリルダウンすると、その部署の申請者別に、キー項目ごとの費用が集計されます。

この設定により、複数の申請案件はキー項目別に集約されます。部署別の費用配分や月別の申請件数を、ひと目で比較できます。
さらに、ドリルダウン機能により、部署内の申請者別明細も確認できます。

ヒント

APIまたはCSV/XMLによる自動申請時は、入力データの[COST_NAME]にキー項目値を指定してください。